“安定的に”サイトにアクセスを集めたいと思ったときに、頼りになる集客経路は間違いなく検索エンジンです。SEOを戦略的に行えば、検索エンジンからの流入は確実に増加します。
そのために重要なのが「キーワード選定」です。SEO対策で成果を上げるためには必要不可欠です。
キーワード選定にはある程度の決まった手順があるので、初心者でも一定のクオリティを担保することができます。
キーワード選定の4つのSTEP
キーワード選定は以下のSTEPで進めていきます。
STEP1:サイトに関連しそうなキーワードを広く集める
STEP2:集めたキーワードについて調査する
STEP3:キーワードを分類する
STEP4:優先順位付けをする
STEP1:サイトに関連しそうなキーワードを広く集める
まずは自社サイト(商品・サービス)に関連があるキーワードを幅広く集めます。
この段階でできる限り多くの候補キーワードを収集した方が、キーワード選定のクオリティは高まります。キーワードを広く集める方法は次の4つです。
1.ユーザーが購買に至るまでの段階を考える
あなたのサイトでコンバージョンするユーザーを具体的に想像し、その人がコンバージョンに至るまでにどんな情報を集めるかを考えます。
▼(例)結婚式場の見学予約をしたユーザーを想定した場合
キーワード選定というと、ついコンバージョンにすぐつながるキーワードを考えてしまいがちですよね。たとえば「〇〇(式場名) 見学予約」などです。しかし、キーワードの幅を広げるためには、具体的なニーズが発生する前段階からキーワードを考える必要があります。
・ユーザーがコンバージョンする前に解消したい疑問はなにか?
・知っておきたい情報は何か?
・そしてそれはどんな検索キーワードになるのか?
・専門用語を知らないユーザーはなんと検索するか?
ユーザー視点で徹底的に考えて、書き出してみましょう。
2.ツールを使ってキーワードを抽出する
ある程度ユーザーの視点で書き出せたら、ツールを使って機械的に関連するキーワードを集めましょう。キーワード収集に使えるツールは多々ありますが、以下の3つを使用すれば関連するキーワードはほぼ網羅できます。
Googleアドワーズ:キーワードプランナー
Googleが提供している無料のキーワードツールです。キーワードの月間検索ボリュームや(リスティング出稿時の)競合性、指定したキーワードと関連するキーワードの候補がわかります。
関連キーワード取得ツール(仮名・β版)
シンプルなトップページですが、ものすごく使えるツールです。Googleサジェストなどからデータを取得し、関連するキーワードを一括表示してくれます。また、あわせて表示される「Yahoo!知恵袋」や「教えて!Goo」の関連している質問からも、ユーザーのニーズをくみ取ることができます。
goodkeyword – Google/Bing/Yahoo関連キーワードツール
goodkeyword – Google/Bing/Yahoo関連キーワードツール
こちらも特定のキーワードを入力すると関連するキーワードを一括表示してくれます。先に紹介した「関連キーワード取得ツール(仮名・β版)」だけでも十分かもしれませんが、データ取得元が違うため表示されるキーワードも若干違います。少しのキーワードも取り逃がしたくないという方は、どちらも使ったほうが確実です。
3.すでにあるキーワードに関するデータ
ユーザーニーズに沿ったキーワード、そしてツールを使ったキーワードが出せたら、次は別の観点からキーワードを追加しましょう。すでにサイトを運営している場合、「どのようなキーワードでサイトにアクセスされているか」の情報が以下のデータベース内にあると思います。
- Googleアナリティクスの「オーガニック検索キーワード」
- Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」
- リスティング出稿時のデータ
このデータの中から「わずかに流入はあるが上位表示しきれていないキーワード」や「オーガニックでの流入はないけれどリスティングのコンバージョン率が高いキーワード」を見つけ、キーワードリストに追加しましょう。
4.競合サイトの対策キーワードを調査
次に、あなたが狙いたいキーワードで既に上位表示できているサイトが、いったいどのような対策をしているのかを確認しましょう。
- 各ページのタイトルにどのようなキーワードが含められているか
- サイト構造はどうなっているか、内部リンクを多く集めているページはどこか
- サイトのナビゲーションにはどのようなカテゴリーが設置されているか
- どのような条件の掛け合わせで検索できるようになっているか
このようにして、自分に抜けていた視点がないか、まだリストに追加できていなかったキーワードはないかをチェックしましょう。
STEP2:集めたキーワードについて調査する
以上がSTEP1でした。この時点でキーワード候補の数はかなり多くなっているはずです。STEP2では、集めたキーワードを絞り込んでみましょう。
月間検索ボリューム
まずは各キーワードの月間検索ボリュームを調べます。調査には、すでにご紹介したGoogleのキーワードプランナーを利用します。
月間検索ボリュームが少ないキーワードはここで除外してしまいましょう。検索ボリュームが少ないキーワードに対してコンテンツを作成したところで、アクセスの大幅な増加は期待できないからです。検索ボリュームの目安は、あなたのサイトが属する業界によって異なりますが、1,000前後を目安に削除するのが一般的でしょう。
全体的に検索ボリュームが少なく判断が難しいならば、上位表示された場合の想定増加アクセス数とそこから獲得できるコンバージョン数を試算し、自身が納得できる数値を設定しましょう。以下の式を参考にしてください。
▼(例)想定月間検索ボリュームが1,500の場合の想定獲得コンバージョン
※1位~10位のクリック率を足しあわせて10で割って算出。
そのため、実際には上位5位以内に入らなければ実現は難しいクリック率である
参考:検索結果1位のクリック率は19.35%、英NetBoosterの2014年版CTR調査より | 海外SEO情報ブログ
なお、ここで除外したキーワードも完全にデータベースから削除するのではなく、別のファイルなどに残しておきましょう。実際にコンテンツを作成するときに、ここで抽出したキーワードがライティングの参考になる可能性があるためです。どんなに検索回数が少なくても、そこにユーザーのニーズが現れていることには変わりありません。
SEO難易度
次に、それぞれのキーワードの上位表示難易度を調べます。キーワードプランナーの競合性を参考数値としても良いですが、それはあくまでリスティング広告のデータなので、オーガニック検索における難易度を調べるツールを使うことが理想的です。
これで調査は完了です。
STEP3:キーワードを分類する
次にキーワードの分類をします。
どの段階のユーザーなのか
最初に考えたユーザーがコンバージョンに至るまでの流れを思い出し、それぞれのキーワードがどの段階に当たるか考えながら分類してみましょう。
- 全体についての情報収集
- ニーズを絞り込んでからの比較検討
- 行動を前提とした検索
▼例)結婚式場の見学予約をしたユーザーの段階と検索キーワード
上記の例では、コンバージョンに至るまでの段階を3つに分けてキーワードを分類しています。下に行くほどコンバージョンに近くなっています。
キーワードの分類の仕方に絶対の正解はありません。あくまで優先順位をしやすくするための手段ですので、自分たちにとってわかりやすい分類をしましょう。
STEP4:優先順位を付ける
最後に、どのキーワードから狙っていくのか順番を決めます。すべてのキーワードに対して一気に対応するのは不可能なので、今まで調べてきた内容を元に優先順位をつけていきましょう。
一覧表を作り、対応するキーワードを決める
今までのSTEPで優先順位をつけるために必要な情報はほとんど集めることができています。これを、エクセルなどに入れて一覧にしましょう。
- 検索ボリューム
- サイトコンセプトとの関連度の高さ
- コンバージョンまでの近さ
- 対応工数(時間・費用)
- SEO上位表示難易度
この情報をもとに、サイトの目的、使える予算や人的工数を考慮し優先順位を決めていきます。たとえば、新規ユーザーのアクセス獲得を優先したいのであれば検索ボリュームを最重視すべきですし、直近の予算ががっちり決まっていて調整が困難なのであれば、費用がかかるものの優先順位を下げる必要があります。
まとめ
初めてキーワードを選定するときは、細かい部分の判断で迷うこともあります。しかし、正解はありません。とにもかくにも、前に進むことが重要です。何回か経験するうちに精度も上がり、やってみてうまくいかなかったとしても修正すればいいのです。
キーワード選定を最初にしっかり行えば、やるべきことは明確になります。地味な作業が多くつらく感じることもあるかもしれませんが、きちんと業務を進めていけばSEOの成果を実感することができるでしょう。ぜひ取り組んでみてください。